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【校長日記】 昭和58年度の研究紀要より【本文】
校長室に、二小の古い研究紀要がありました。研究紀要といっても、特別に編集されたものではなく、その年に行った研究授業の資料をホチキスで綴じたという体裁です。 面白いのは、テーマが「意欲的な学習態度を育てる指導法の工夫」となっていることです。今は主体的という言い方がされますが、当時から、子どもたちが楽しく、意欲的に学習に向かえるように、教員が工夫していたことが分かります。 ページをめくっていくと、算数の授業における、「適切な課題、導入素材とは何か」という記載がありました。書き出してみると、以下のとおりです。 ・興味関心があり、子どもに適しているもの。 ・既習学習を考慮したもの ・子どもの疑問、矛盾をひきおこすもの ・子どもに適度な混乱や障害のあるもの ・多種多様な考え方がひき出せるもの ・発展性のあるもの ・子どもが喜び、おどろき、不思議さ、めずらしさの表情をあらわすことのできるもの ・子どもが「これはむずかしいぞ」と、はじめは困った顔をするもの ・子どもが「よし挑戦してみよう」という気もちになるもの。 ・まず疑うこと、解決するために必要感をもてるもの ・自信をもち、生き生きと説明することができるもの ・問題を解決した時の成功感、満足感、充実感を強くもたせることのできるもの。 言い方は今と違うものもありますが、内容は今にも十分通じるものばかりです。 ・子どもが「よし挑戦してみよう」という気もちになるもの。 は、今年度の本校の研究でいえば、「子どもたちにとってやってみたいと思える課題や導入の工夫」に通じるものですし、 ・多種多様な考え方がひき出せるもの は、「多様な考えが出る問題づくり」と同じです。 今年度本校では、もう一つ「価値のある協働的な学びができる場面の設定」に取り組んでいますが、「適切な課題、導入素材」の中には取り上げられていません。強いて言えば、「自信をもち、生き生きと説明することができるもの」は、価値のある協働的な学びの一部と言えるかも知れません。 今となっては映像で観ることはできませんが、当時の授業をあれこれ想像してみました。 紀要の中に、当時の子どもたちが算数をどう思っていたかが分かるグラフ(なんと!手書き)がありました。学年によってばらつきはありますが、4割から7割の子が算数を好きだったようです。また、高学年になると嫌いな子が増えているのが分かります。今の子どもたちは算数をどんなふうに思っているのでしょうか。機会があれば調べてみたいと思います。【添付ファイル】
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